2023.11.28

停滞から脱し正常化に向けて回復を再開(改定見通し)-日本経済情報2023年11月号

7~9月期の実質GDP成長率は、個人消費の停滞や設備投資の落ち込みから予想以上のマイナス成長。10月の景気ウォッチャー調査は景気の停滞が続いていることを示す。実際に10月の小売販売は物価上昇の影響などから伸びが鈍化しており、個人消費の足取りは重い。

今後の景気動向を占う上では、①個人消費は回復するのか、②設備投資は復調するのか、③経済対策が景気に与える影響、の3点が重要。うち経済対策は、規模や内容において疑問符が付く点が散見されるが、GDP比1%を超える需要が追加され、景気を押し上げる効果があることも事実。インフレ圧力を高める恐れや財政健全化の後退は要注意であり、世論調査で不評だった一因か。

今後の個人消費は、賃金が冬のボーナス増や来春闘での賃上げ加速により上昇を継続、物価上昇率が鈍化するため、実質賃金の上昇と消費者マインドの改善により回復し、拡大が続く見通し。設備投資は、当面、非製造業中心の持ち直しとなるが、欧米景気が回復する来年前半には製造業でも復調、伸びを高めよう。

その結果、実質GDP成長率は、2023年度、2024年度とも前年比+1.6%と潜在成長率を大きく上回る伸びが続き、需給面からのデフレ圧力は解消しよう。金融政策については、2024年4月のマイナス金利解除と長期金利の目標廃止という形でのYCC撤廃という予想を維持する。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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主任研究員 中浜 萌

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