2022.05.27

欧州経済:ウクライナショックによる物価高で低空飛行が当面続く(改定見通し)

1~3月期の実質GDP成長率は、ユーロ圏は予想通り足踏みとなったが、英国は公共投資や在庫投資を中心にやや上振れ。4~6月期以降は、コロナショック後退のもとで景気回復基調が続くものの、一方で、ロシア・ウクライナ情勢の悪化による物価上昇圧力が従来想定以上に顕在化しており、BOEやECBが金融引き締めを着実に進めていく蓋然性も高まっている。そのため、成長率予想はユーロ圏・英国ともに、「景気腰折れはないが、低空飛行が当面続く」とのシナリオの範囲内で下方修正する。通年ベースの新しい成長率予想は、ユーロ圏2022年2.6%・2023年1.7%、英国2022年3.1%・2023年1.2%。なお、英国については、1~3月期上振れの反動により、4~6月期に前期比マイナスとなる可能性を含んでいる。

執筆者紹介

上席主任研究員 石川 誠

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副主任研究員 岩坂 英美

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