2022.10.31

中国政経情勢:習政権3期目へ、米中対立長期化の備え固める

2022年7~9月期の成長率は、ロックダウンの影響で失速した前期から持ち直し。政府の景気支援策を背景としたインフラ投資拡大や消費活動の回復が寄与。ただし、不動産業の不振に加え、ゼロコロナ政策継続の中で個人消費の戻りも弱く、2022年の成長率は+3%台にとどまる見通し。第20回党大会・一中全会では習総書記の3期目続投が決定。経済政策に関しては、格差是正を目指す「共同富裕」や内需を成長の起点とする「双循環」戦略など、これまで示されてきた重要政策を継続する方針。「科学技術の自立自強」のためイノベーションを担う人材育成に注力すること、食糧・エネルギー・サプライチェーンなど経済安全保障を確保することも盛り込まれ、米国との対立長期化への警戒を強めていることが示唆される。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

執筆者紹介ページを表示

主任研究員 玉井 芳野

執筆者紹介ページを表示