2022.12.26
2022年の世界経済は脱コロナを原動力とする堅調な景気拡大が期待されたが、ロシアのウクライナ侵攻に端を発するインフレ加速やゼロコロナ政策を続けた中国のロックダウンなどから大きく減速、年末にかけて景気後退局面の入り口に向かいつつある。2023年は、ウクライナ情勢の好転が見込めない中で、欧米経済はインフレ抑制のための金融引き締めによる大幅な悪化が避けられず、中国はゼロコロナ政策の事実上の解除による感染急拡大で混乱が続くなど、極めて不確実性の高い状況が見込まれる。それでも、金融引き締めという人為的な景気減速が主因につき底割れは回避できると予想するが、本文最後に挙げた通り世界経済に影響を与えるリスク要因が各地に散在しており、その動静には十分留意が必要である。