2026.09.29

需要超過見通しが迫る利上げ加速~改定見通し -日本経済情報2026年9月号

4~6月期の実質GDP成長率は2次速報で上方修正されるも、国内民間最終需要が3四半期ぶりのマイナスとなり、景気が停滞気味であったことは変わらず。7月以降の景気ウオッチャー調査(街角景気)は改善しているが、消費関連の足取りは天候不順を理由に小売分野を中心に緩慢。ただ、個人消費を取り巻く環境は良好であり、今後は復調の見込み。

そうした中で日銀は9月会合で利上げを決定。さらに、物価目標の達成が近づき、これまでの基調的物価上昇率を高めるという政策の狙いが、物価上振れリスクの顕在化を防ぐことへ「局面が変化した」と明言。フォワード・ルッキング姿勢を明確に示した。加えて、ターミナルレートは中立金利+αであるとの認識も示し、長期金利の上昇につながった。

企業業績は、金利上昇や原油高のほか、円安修正の影響を考慮しても、増益基調が続く見込み。投資関数を用いた試算でも、金利上昇によるマイナスを経済成長や増益によるプラスが上回り、設備投資は増加基調を維持する見通し。家計部門では金利上昇の影響を利息や賃金などの所得増が吸収。最低賃金引き上げは賃金上昇率を明確に押し上げており、来年度の賃金上昇率は春闘賃上げ率から想定される以上となる可能性。

こうした状況から、今後の日本経済は個人消費や設備投資の持ち直しにより拡大基調を維持する見通し。日銀の利上げペースが加速、ターミナルレートも上昇する可能性はあるが、それでも当面は緩和的な金融環境が続くため景気拡大が続こう。2027年度には原油価格の下落や消費税減税により個人消費は増勢を強め、設備投資は拡大基調を取り戻し、成長が加速する見込み。需給超過状態が継続し、利上げ加速を迫られよう。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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主席研究員 武内 浩二

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副主任研究員 高野 蒼太

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副主任研究員 北辻 宗幹

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